HPのパソコンが遅い・重いときに考えられる原因
まずは、HPのパソコンが遅いときに考えられる原因を5つ紹介します。自身のパソコンの使い方と照らし合わせながら、当てはまるかどうかをチェックしてみてください。
不要なアプリが常駐している
パソコンには、購入時点でプリインストールされているアプリや、あとから自分でインストールしたアプリなど、さまざまなアプリが導入されています。
パソコンを起動した時に自動的にバックグラウンドで起動し、気が付かないうちにパソコンのリソースを消費してしまうアプリもあるので注意が必要です。
また、ExcelやWord、ウェブブラウザなど複数のアプリを同時に起動したままにしておくのも、パソコンが遅くなる原因のひとつ。
パソコンにはスペックによってパフォーマンスの限界があるので、いくつものアプリを同時に起動していると各アプリの動作が遅くなってしまう場合があります。
容量不足とハードディスク(HDD)の断片化
ストレージの容量不足も、HPのパソコンが遅くなる原因として考えられます。
使用していないアプリのほか、作業のために一時的に保存していた動画や画像などは、一つひとつは小さな容量でも積み重なるとハードディスクやSSDの容量を圧迫してしまうので注意が必要です。
また、ハードディスクの断片化も動作が遅くなる原因として考えられます。
ハードディスクの断片化とは、ファイルや空き領域がランダムに散らばった状態で保存されること。
通常、ハードディスクには1つのまとまりとしてファイルが保存されていきます。しかし、ファイルの削除や保存を繰り返していくうちに空き領域が細かく分散されてしまい、ファイルが細切れで書き込まれるようになります。
断片化が進むと、1つのファイルを読み込むためにハードディスクの複数箇所の参照が必要になり、どんどん速度が低下。
結果として、パソコンが遅いと感じてしまいます。
キャッシュが溜まっている
キャッシュが溜まっていると、パソコンの動作が重くなってしまう場合があります。キャッシュとは、1度読み込んだデータを一定期間保存しておき、次回の処理を高速化するための機能のこと。
動作をスムーズにさせるための機能ではあるものの、放置して溜めすぎているとパフォーマンスの低下に繋がるので注意が必要です。
なお、ウェブブラウザにも1度アクセスしたページのHTMLファイルや画像ファイルなどをキャッシュとして保存し、次回アクセス時の速度を向上させる機能が搭載されています。もし、ウェブブラウザを使っていて動作が遅いと感じた場合は、キャッシュが溜まり過ぎている可能性を疑ってみてください。
ウイルスやスパイウェアに感染している
パソコンの動作が遅いときは、ウイルスやスパイウェアに感染している可能性もあるので注意が必要。
ウイルスが直接パソコンの動作を遅くしている場合もあれば、バックグラウンドで不正なソフトウェアを起動させていたりデータを外部に送信したりして、リソースを消費している可能性もあります。
ウイルスやスパイウェアに感染していると、パフォーマンスの低下のほか個人情報の流出や大切なファイルの消去といったリスクもあり非常に危険。
感染した状態でメールを送ったり別のユーザーとファイルをやり取りしたりすると、ほかのパソコンにウイルスを広げてしまう可能性もあります。
パソコンが発熱している
パソコンの動作が遅いときは、パソコンの発熱にも注目してみてください。パソコンの内部に搭載されているCPUやハードディスク、グラフィックボードといったパーツは、使用していると熱を帯びてきます。
通常はファンやヒートシンクなどによって適切に排熱されている場合がほとんど。
しかし、排熱が追いつかずに温度が上がり過ぎてしまうと、パフォーマンスの低下に繋がります。
適切に排熱できない原因としては、ファンの故障や通気口にホコリが溜まってエアフローが悪くなり、熱がこもってしまう場合などが考えられます。
また、夏場のような気温の高い季節にエアコンを付けたり換気をしたりせずにパソコンを使用していると、パソコンパーツの温度も上がりやすくパフォーマンスの低下に繋がってしまいます。
HPのパソコンが遅い・重いときの対処法
HPのパソコンが遅くなってしまう原因を一通り確認したところで、次は各原因に対する対処法を6つ紹介します。
比較的易しい方法を紹介していますが、もし難しいと感じる場合はプロの修理業者への相談も検討してみてください。
Windowsのアップデートと再起動
HPのパソコンが遅いと感じたときは、まずWindowsのアップデートを試してみましょう。お使いのパソコンがアップデートできるかどうかは、設定から「更新とセキュリティ」に進み「更新プログラムのチェック」をクリックすると確認できます。
Windowsをアップデートすると最新のシステムがインストールされるので、もし動作の重くなる原因がOS側にあった場合、不具合が改善され動作の安定化に期待できます。
また、もしWindowsのアップデートが更新できない状態でも、再起動を試してみてください。
不要なアプリがバックグラウンドで動いている場合やリソースを消費し過ぎているアプリがある場合、再起動により改善に期待ができます。
再起動は、画面左下のスタートボタンをクリックしたあとに表示される電源マークをクリックし、「再起動」を選択すると実行可能です。
常駐アプリの無効化
不要なアプリが常駐しメモリやCPUのリソースを無駄に占有している場合には、常駐アプリの無効化を実行してみましょう。
設定から「プライバシー」に進み「バックグラウンドアプリ」をクリックすると、バックグラウンドでの実行を許可されたアプリが一覧表示されます。
一つひとつアプリをチェックし、バックグラウンドで動作してほしくないアプリをオフにしていきましょう。
また、パソコンの起動と同時に実行されるスタートアッププログラムも、数が多いと起動速度の低下に繋がるため精査しておくのがおすすめ。
スタートアッププログラムは、以下の手順で無効化できます。
- スタートボタンを右クリックします。
- タスクマネージャーをクリックします。
- 左下の「詳細」をクリックします。
- 「スタートアップ」タブを選択します。
- 不要なアプリを選択し、右下の「無効にする」ボタンをクリックします。
また、タスクマネージャーを使用すると現在起動中のアプリをチェックし強制的に終了させられるので、動作が重くてアプリが思うように動かないときの強制終了手段としても活用可能です。
不要データの削除とデフラグ
データがストレージを圧迫している場合は、不要なアプリやデータを削除して空き容量を確保しましょう。
クラウドに保存済みの動画ファイルやドキュメントファイル、使用していないプリインストールアプリなどは、ほとんどの場合削除してしまっても問題ありません。
パソコンに搭載されている各ドライブの空き容量は、エクスプローラーを開き右側のメニューから「PC」をクリックすると確認できます。
また、ハードディスクの断片化が発生していると考えられる場合は、デフラグを実行して断片化の改善を試みてみましょう。
デフラグの手順は以下の通りです。
- 設定を開きます。
- 「システム」をクリックします。
- 左側のメニューから「記憶域」を選択します。
- その他のストレージ設定から「ドライブの最適化」をクリックします。
- デフラグしたいドライブを選択して「最適化」をクリックします。
上記手順の途中で、各ドライブが何%断片化しているかの情報もチェック可能。また、自動でデフラグを実行するスケジュールも設定できます。
ディスククリーンアップでキャッシュを削除
キャッシュの蓄積によって動作が重くなっている場合は、ディスククリーンアップを実行すると改善する可能性があります。
ディスククリーンアップは、以下の手順で実行可能です。
- 設定を開きます。
- 「システム」をクリックします。
- 左側のメニューから「記憶域」を選択します。
- 「ストレージセンサーを構成するか、今すぐ実行する」をクリックします。
- 画面下部の「今すぐクリーンアップ」をクリックします。
また、上記手順の「ストレージセンサーを構成するか、今すぐ実行する」をクリックしたあと、「アプリで使用されていない一時ファイルを削除します」にチェックを入れてストレージセンサーをオンにすると、定期的に自動でディスククリーンアップを実行できます。
実行タイミングは毎日・毎週・毎月から選べるほか、ディスクの空き容量の不足時にのみ実行する設定も可能です。
ウイルスチェックソフトを使用する
コンピューターウイルスやスパイウェアの感染によって動作が重くなっている可能性がある場合は、ウイルスチェックソフトの導入も検討してみてください。
ウイルスチェックソフトには、ウィルスバスター・ノートン・カスペルスキー・マカフィー・ESETなどさまざまな種類があります。
数は多くないものの、アバストのような無料で利用できるソフトもあるのでチェックしてみてください。
なお、Windowsを搭載したHPのパソコンであれば、Microsoft純正のWindows Defenderを利用できます。
標準搭載のウイルスチェックソフトなのでWindowsの設定画面からオン・オフなどの操作ができるほか、基本的には無料で利用できるため、どのソフトを選べばいいかわからない方は参考にしてみてください。
ケースの掃除やクーラーの活用
パソコンの発熱を改善すると、動作が軽くなる場合があります。部屋が熱いときは、扇風機やエアコンを付けたり換気をしたりするだけでも多少の効果があるかもしれないので、ぜひ試してみてください。
デスクトップパソコンを使用している場合は、ケース内部を掃除したりファンを増設したりして、エアフローを改善してみてください。
ノートパソコンの場合は吸気口や排気口にホコリが溜まっていないかをチェックし、溜まっている場合は掃除しておきましょう。
また、ノートパソコン向けにスタンドとしても使用できるクーラーが販売されているので、試してみるのも手段のひとつです。
ちなみに、WindowsにはCPUの温度を手軽にチェックできる「パフォーマンスモニター」と呼ばれる機能が搭載されています。
タスクバーの検索窓に「コンピューターの管理」と入力してアプリを起動し、左側のメニューの「システムツール」から「パフォーマンス」を選択すると温度をチェック可能です。
Windowsパソコンの動作を軽くするためのおすすめ設定
最後に、Windowsパソコンの動作を少しでも軽くするためのおすすめ設定を5つ紹介します。
電源プランの変更
Windowsには、パフォーマンスを抑えて消費電力を削減する機能や、逆に消費電力は増えるもののパフォーマンスを向上させる機能が搭載されています。
これらの設定は、「電源プラン」から自由に変更可能。パソコンの動作を少しでも快適にしたい場合は、より高いパフォーマンスを発揮できるプランに変更するのも手段のひとつです。
- タスクバーの検索窓に「コントロールパネル」と入力しコントロールパネルを開きます。
- 電源オプションをクリックします。
- 「電源ボタンの選択またはカスタマイズ」から、「高パフォーマンス」を選択します。
- 「高パフォーマンス」が見つからないときは、左のメニューの「電源プランの作成」に進み「高パフォーマンス」にチェックを入れると表示されるようになります。
ノートパソコンを使用している場合は、「省電力」を選択すると消費電力を抑えられるのでバッテリー持ちの向上に期待ができます。
シーンに合わせて臨機応変に使い分けてみてください。
Windows Defenderを活用する
コンピューターウイルスやスパイウェアの対策として、アンチウイルスソフトを利用している方も多いかもしれません。
しかし、多くのアンチウイルスソフトは頻繁にウイルスのスキャンをしているため、パソコンの動作を遅くする原因にもなります。
Windowsを搭載したパソコンであれば、OS標準のセキュリティソフトであるWindows Defenderを利用可能。
他社製のソフトと同様にスキャンを行えば動作は遅くなってしまうものの、多くの場合はどちらか一方のソフトを利用すれば十分なので、導入するソフトを減らす意味でもWindows Defenderの利用がおすすめです。
Windows Defenderを利用してウイルススキャンを実行したい場合は、以下の手順で操作してみてください。
- 設定から「更新とセキュリティ」へ進みます。
- 左のメニューの「Windowsセキュリティ」をクリックします。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
- 「クイックスキャン」をクリックします。
アニメーションの無効化
Windowsでは、さまざまな箇所にアニメーションや視覚効果が使われています。
ウィンドウを最小化したり最大化したりしたときに表示されるエフェクトやウィンドウに付いてる影、透過処理などがその一例です。
これらのアニメーションやエフェクトは、動作を滑らかに感じさせたり見栄えをよくしたりする効果がある一方、スペックの限られたパソコンでは負担になってしまう場合もあります。
スタイリッシュな見た目にこだわりがないのであれば、アニメーションや視覚効果を無効化し動作速度を改善してみましょう。
コントロールパネルから「コンピューターの簡単操作」へと進み「コンピューターでの作業に集中しやすくします」をクリック。
スクロールし、「必要のないアニメーションは無効にします」にチェックを入れて、「適用」ボタンをクリックします。
この手順により、不要なアニメーションを一括で無効化可能です。
アニメーションを個別で停止させたい場合は、次の手順で操作します。
- 設定からシステムへと進みます。
- 左のメニューから「詳細情報」をクリックし、「システムの詳細設定」に進みます。
- パフォーマンス内の「設定」をクリックし、任意の視覚効果にチェックを入れて「適用」ボタンをクリックします。
サーチインデックス機能の最適化
サーチインデックスとは、パソコン内に保存してあるさまざまなファイルの名前や種類をあらかじめ登録しておき、検索した際に素早く表示させるための機能のこと。
動作をスムーズにするための機能である反面、登録するファイルの数が多いとパソコンの動作を重くする原因にもなってしまいます。
サーチインデックス機能をオフにする、またはサーチインデックスの対象を限定するとパフォーマンスの低下を防止可能。
サーチインデックス機能を制限するためには、次の手順で操作します。
- エクスプローラーを開き、サーチインデックスから除外したいドライブで右クリックします。
- プロパティをクリックします。
- 「このドライブ上のファイルに対し、プロパティだけでなくコンテンツにもインデックスを付ける」のチェックを外して「適用」ボタンをクリックします。
以上の手順で、指定したドライブはサーチインデックスの対象から外れます。
また、ドライブごとではなくフォルダごとにインデックスの可否を決めるには、コントロールパネルの「インデックスのオプション」で任意のフォルダを選択し、「変更」ボタンをクリック後にインデックス作成をしたくないフォルダのチェックを外します。
自動メンテナンス時間の設定
Windowsには、標準で自動メンテナンス機能が搭載されています。
自動メンテナンスとは、インストールしているソフトやWindows自体のアップデート、システム診断などを自動的に行ってくれる機能。
便利な反面、自動メンテナンスが実行されている間は、パソコンの動作が遅くなってしまいます。
自動メンテナンスを実行させる時間は、ユーザーが任意に変更可能です。普段あまりパソコンを使わない時間帯に設定すると、自動メンテナンスによるパフォーマンスへの影響を最小限に抑えられます。
- コントロールパネルから「セキュリティとメンテナンス」に進みます。
- 「メンテナンス設定の変更」をクリックします。
- 「メンテナンスタスクの実行時刻」を任意の時間に変更し、「OK」ボタンをクリックします。
自力での解決が難しい場合は専門店への相談も
以上、HPのパソコンの動作が遅くなる原因と対処法を紹介しました。本記事で紹介した手順では重くなった動作が改善しなかったり、慣れない操作を行うことに不安を感じたりする場合は、専門業者への相談も検討してみてください。
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