そのファンの音は正常or異常?うるさいと感じたときの聞き分け方
うるさい音の原因がパソコンの故障であれば、すぐに何らかの対応が必要です。 そこでまずは、今うるさいと感じている音について、パソコンの故障が疑われる異音でないかどうかの聞き分け方を紹介します。 音の感じ方は人それぞれなので100%正確な方法ではありませんが、初期診断の目安として参考にしてみてください。
正常と考えられるファンの音
最初は、正常に稼働しているファンの音から記載しておきます。
- 「ブーン」という扇風機のような音
- 「ギュイーン」という高く唸るような音
パソコンに負荷を大きくかけると音が大きくなったり高くなったりすることがありますが、使っている間に多少変化する程度であれば特に問題ありません。
「ブーン」という扇風機のような音
実物を見たことがある方なら分かると思いますが、パソコンに取り付けられたファンは扇風機や換気扇のような形状をしており、風を送り込む(排出する)という役割もそれらと同じです。 そのため、扇風機や換気扇と似たような音がしている場合は、正常に動作していると考えられます。
「ギュイーン」という高く唸るような音
ソフトウェアを多く起動するなどしてパソコンに負荷をかけると、CPUなど発熱するパーツの稼働率が上がってパソコン内部の温度も上がりやすくなります。
そういった変化を検知してファンの動きも活発になるため、時には唸りを上げるような勢いで動くこともありますが、そういった音の変化はむしろ正常です。 ソフトウェアをほとんど立ち上げていない状態でファンが静かなのであれば、全く問題はありません。
異常が疑われるファンの音
続いては、パソコン内部の異常が疑われるファンの音を紹介します。
- 「カラカラ」「カチカチ」と物に当たっているような音
- 「バチバチ」と火花が散っているような音
- これまでの何倍も大きな爆音
- 今までに聞いたことがない異音
例え普通にパソコンが使えているとしても、ここで紹介するような音が聞こえた場合は使用中止を検討した方が良いでしょう。
「カラカラ」「カチカチ」と物に当たっているような音
ファンからこのような音がする場合、配線がファンに触れてしまっている可能性があります。 または、ホコリに混じって小さなゴミがファンの内部に巻き込まれていることも考えられ、いずれにしてもパーツを傷つけてしまう恐れが出てきます。
できる限り音の発生箇所を特定したいところですが、分解しないと分からないようであれば、慣れていない方は業者に相談した方が良いでしょう。
「バチバチ」と火花が散っているような音
見出しの表現だけでも伝わると思いますが、これはかなり危険な音です。 そのままショートして電源が落ちてしまい、パソコンが再起不能になる可能性もあります。 最悪の場合は火災に繋がるケースもあるので、確実に使用を停止するようにしましょう。
ファンの内側に詰まっているホコリが原因となっていることが多いため、掃除をすることで解決するケースもありますが、ファンを取り出す作業が難しければ大人しく修理に出すことをおすすめします。
これまでの何倍も大きな爆音、今までに聞いたことがない異音
今までに聞いたことがある種類の音だとしても、その大きさが何倍にも感じられるときは何らかの異常が発生しているサインです。 パソコン本体の温度が触れないほど熱くなっていないか、変な臭いがしていないかなど、音以外の要素も確認してみましょう。
その他、明らかに今までとは違う異音が聞こえた場合も、まずは使用を停止した方が良いでしょう。 使っていて怖くなるような音がしている場合、少なくとも正常に動作しているとは考えにくいです。
ファンとは別のところから出ているかもしれない音
パソコン内部にはファン以外にもいくつか音を発するパーツがありますので、あなたがうるさいと感じている音は、もしかしたら違う場所から発生しているかもしれません。
- 「ピー」という電子音
- 「カシャカシャ」「シャー」という金属音
ここで紹介するような音がしている場合には、別の原因を疑ってみましょう。
「ピー」という電子音
「ピー」という高い電子音(通称ビープ音)が鳴っている場合、それはパソコンのシステムから出されている音で、ファンが発生源ではありません。 CPUやメモリ、ハードディスク(HDD)に異常が発生していることが考えられます。
パーツが故障していたり、接続不良や排熱不良が発生していたりする場合に起きる症状で、パソコンの内部を見ないと解決は難しいです。 作業に慣れている方なら、パソコン内部の掃除やメモリ・配線をしっかり挿し直すといった対応をしてみましょう。
「カシャカシャ」「シャー」という金属音
こちらの音はハードディスクの駆動音と考えられます。 何かの処理をしたタイミングで一時的に鳴っただけであれば全く問題ありません。 常に大きい音がし続けている場合は故障が疑われるので、データのバックアップを早めに取ったうえで交換を検討した方が良いでしょう。
焦げくさい臭いがする場合はすぐに使用を止めること
ファンがフル稼働してもパソコン内部の温度を下げきれないような事態になった場合、通常であればシステム側が危険を察知して強制シャットダウンなどの処理が働きます。
ただ、ホコリなどがパソコン内部にぎっしり詰まっていると、検知する前に温度が一気に上がって発火寸前の状態になってしまうこともあり得ます。 もし、パソコンを使っていて焦げくさい臭いがした場合は、迷わず電源を落としましょう。
【ハードウェア・物理面】富士通のパソコンでファンがうるさいときの対処法
ここからお伝えするのは、ファンの音を軽減するための対処法です。 まずは物理的に解決する方法を紹介します。 どれもある程度確実な効果が期待できますが、慣れていない人には難しい作業もあるため、厳しいと感じたら業者にお願いする方が安全でしょう。
ホコリを掃除して風通しを良くする
購入したときから徐々に音がうるさくなってきたという場合、ホコリが溜まっていることがおおよその原因です。 熱の逃げ場が少ないノートパソコンでは、風通しの確保は特に意識したいポイントとなります。
まずはパソコンの排気口を確実に掃除し、熱が中にこもらないようにしましょう。 CPUなどの発熱するパーツから、熱を少しでも遠ざけることが大事です。 加えて作業に慣れている方なら、ファンに付いているホコリも直接掃除しておきましょう。
部屋の温度を下げる
基本的なことですが、部屋の温度はパソコンのパフォーマンスに直結します。 特に、夏場にかけてファンがうるさくなったという場合は、温度管理を意識しましょう。
あまり設定温度を下げたくないという場合は、冷房機器とパソコンの配置・向きなどを調整してみてください。 扇風機なども併用しながら、排熱の手助けとなる方向に風を送り込みましょう。
冷却台を使用する
ノートパソコンであれば冷却台(冷却スタンド)と呼ばれるアイテムを使うのも有効です。 パソコンの下に隙間ができるだけでも風通しがだいぶ良くなるので、単純に細かい穴の空いたスタンドを置くだけでも効果があります。
さらにこだわる場合は、放熱性に優れたアルミ素材のものを選んだり、冷却ファンが付属しているタイプを選んだりすれば、より強い効果が期待できます。 ファンが付いている冷却台を選ぶ際は、風量が強いものだと回転音がうるさく感じることもあるため、本末転倒にならないように静音性を重視しましょう。
性能の良い冷却ファンに買い替える
風通しを良くして周りの温度を下げてもうるさいままであれば、ファン自体が劣化している可能性があります。 長く使っているパソコンであれば、当時より性能の良いファンがいくらでも存在するはずなので、買い替えをおすすめします。
ファンのタイプは大きく「空冷式」と「水冷式」の2つに分かれており、水冷式の方が値段は高い分だけ冷却性能も高いです。 少しでもファンのうるささを軽減したいという方は、水冷式を中心にして高性能のファンを探すと良いでしょう。
発熱量の小さいCPUに買い替える
パソコン内部の温度を下げるのがファンの役割ならば、そもそも発熱の原因となっているCPUをどうにかしようという考え方です。 確かにCPUの買い替えは有効な手段なのですが、CPUは交換作業の難易度がかなり高いため、この発想は上級者向けの内容となります。
自信の無い方は、次にパソコン本体を買い替える時の参考にしてみてください。 CPUの発熱量を考えるときの目安としては「TDP(Thermal Design Power)」と言われる指標が公開されており、そのCPUにおける最大発熱量を示す値です。
TDPは一つの目安でしかありませんが、数値が低いものを選んだほうが発熱を抑えられるとされています。 少しでもパソコンの音を小さく抑えたいという方は、パーツ選びの際に気を配ってみましょう。
【ソフトウェア・論理面】富士通のパソコンでファンがうるさいときの対処法
ここからは、パソコンの操作やソフトウェアの設定等で解決する方法を紹介していきます。 パーツの故障が原因でなければ、ある程度の効果が期待できるはずです。
起動しているソフトウェアを減らして負荷を軽くする
パソコンの性能ぎりぎりまでソフトウェアを多重起動すると、熱量が上がってファンがうるさくなります。 動いているソフトウェアを一通り見直して、使っていないものは終了するようにしましょう。
また、パソコンを立ち上げたタイミングで自動的に起動するようになっているソフトウェアについては、設定を見直すこと(スタートアップ設定をオフにすること)が必要です。 起動しているソフトウェアを見直すことは、ファンの音だけではなく、パソコンの動作を改善することにも繋がります。
パソコンを省電力モードへ切り替える
富士通製のパソコンには「ECO Sleep」という独自の省電力機能が搭載されています。 このECO Sleepを「低待機モード」という設定にすることで、ファンが静かになる効果が期待できます。
- 画面左下の「スタート」ボタンをクリック
- 上に出てくるメニューから「設定」をクリック
- 新たに開いたウィンドウで「Extras」をクリック
- 「バッテリーユーティリティ」をクリック
- 「ECO Sleep」をクリックし、変更をクリック
「通常モード」になっていた場合は、低待機モードに変更してみましょう。 ただし、低待機モードにすることでパソコンのパフォーマンスが制限されて、動きが少し重くなる可能性もあるため注意してください。
富士通パソコンのメーカーアップデートをおこなう
富士通製のパソコンでは、メーカー独自のソフトウェアアップデートが不定期におこなわれています。 これらのアップデートを適用させることでシステムの動作が最適化され、無駄な発熱が無くなってファンが静かになることもあります。
- パソコン右下のアイコン(タスクバー)から上向きの矢印をクリック
- 隠れているアイコンが表示されるので、「富士通のアップデートナビ」アイコンをクリックして「富士通へ最新情報を確認」をクリック
- 「ダウンロードページを開く」をクリックすると適用できるプログラムが表示される
- 適用させたいアップデートファイルの名称を選び、個別にダウンロードする
特に「BIOS」に関連するアップデートがあれば積極的におこないたいところです。 全ての更新をかけようとするとアップデートファイルの数がかなり多いですが、公式サイトのQ&Aでは「更新プログラムはすべて更新して構いません。」と書かれています。 どれを優先すれば良いか分からないという方は、一通りアップデートをおこなってしまっても大丈夫です。
明らかな異音で故障が疑われる場合は「ファストPCリペア」にご連絡ください
今回は、富士通製のパソコンでファンがうるさい場合の対処法を紹介しました。 この記事を見てファンのうるささが少しでも軽減していれば嬉しいです。
一方で、書いてある内容を一通り試しても解決しない、もしくはどう考えても普通ではない異音がしているという場合は、ファンもしくは関連するパーツの故障が疑われます。 そんなときは、「パソコン整備士」の資格を持ったプロが多数在籍する「ファストPCリペア」へご連絡ください。
今回は富士通製のパソコンを扱いましたが、他の全メーカーのパソコンに対しても年中無休、全国対応(出張・店舗持ち込み・宅配の3つから選択可能)で修理をおこないます。
「壊れているかどうか分からない」といった場合でも、まずはお気軽にご連絡ください。 作業前にはお見積りを提示し、金額にご了承いただけてからの作業開始となります。
ファンからの異音でご相談頂いた事例
ファストPCリペアでは日々、様々なパソコントラブルに関するご相談を頂いており、その中にはファンに関するお悩みもございました。
こちらの事例は富士通のWindows 7のパソコンの内蔵ファンから異音がするという内容でご相談頂きました。
実際に異音が鳴っていることを確認し、パソコン内部を詳しく診断したところ、経年劣化によって異音が発生していることがわかりました。
そこで、ファンの交換を提案いたしましたが、今回はお客様のご判断により交換は不要との事でした。
それとは別にパソコン内にUniblue社製などの不要なソフト、データが大量に見受けられる状態でしたので、クリーンアップ作業としてそれらのソフトやデータの削除を実施しました。
修理事例の詳細についてはこちらのページに掲載しております。
修理事例:北海道苫小牧市 デスクトップパソコンの内蔵ファンから異音がする/富士通 Windows 7
もしも同じような症状・トラブルでお困りの際はいつでもお気軽にご相談ください。